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「パソコン習熟度」により、「セキュリティ対策の実施率」に大差(IPA調査) [ネットリテラシー]

 IPA(情報処理推進機構)が行ったWeb調査で、パソコンの習熟度が低い人ほどセキュリティ対策の実施率が低く、特にセキュリティパッチ更新実施率では、習熟度が高い人と低い人との間に大きな差があることが明らかになった。

 IPAは2017年12月14日、「2017年度情報セキュリティに対する意識調査」の調査報告書を公開した。情報セキュリティの「脅威」と「倫理」の2分野についてWeb調査を実施したもので、今回が16回目となる。調査対象は、13歳以上のパソコンおよびスマートデバイスのインターネット利用者で、パソコンユーザー5000名、スマートデバイスユーザー5000名から有効回答を得た。

■セキュリティ対策の実施率、習熟レベルが最も低い層では著しく低い結果に

 「情報セキュリティの脅威」についての調査では、パソコンの習熟度を「レベル1:入門・初心者」、「レベル2:基本操作は習熟」、「レベル3:習熟している」、「レベル4:非常に習熟している」の4つのレベルに分け、回答を分析している。

 Windows Updateなどセキュリティパッチ更新の実施率を見ると、レベル1が21.1%、レベル4は81.3%と非常に大きな差があった。「セキュリティソフト・サービスの導入・活用」についても、レベル1が29.3%、レベル4が75.5%と差が大きい。

 セキュリティパッチの更新をしない理由(複数回答)について、全体で最も多かったのは「書かれている内容が分からない」(29.0%)だった。セキュリティソフト・サービスの導入・活用をしない理由では、「費用がかかる」(25.4%)が最多だった。

 レベルが低い人では、パソコンの設定は家族や知人、業者に任せているのでよくわからないという場合も多いと思われる。しかし、自分の意志でコントロールできる部分でも、習熟度が低い人ほど危険なことをしてしまっている。例えば、「不審な電子メールの添付ファイルは開かない」とした人は、レベル1では22.9%、レベル4では64.8%だった。また、「よく知らないウェブサイトではファイル(ソフトウェア)をダウンロードしない」とした人は、レベル1では19.6%、レベルでは60.0%だった。

■情報セキュリティに関する被害・トラブル経験率は4割近く

 過去1年間の情報セキュリティに関する被害・トラブルについてパソコン利用者にたずねた設問では、「被害にあったことはない」と答えた人が全体の42.4%で最も多かった。以下、「被害にあったかどうかわからない」(20.0%)、「全く知らない差出人から大量のメールが送られてきた」(16.5%)、「身に覚えのない料金の支払いを要求するメールが送られてきた」(10.5%)となっている。パソコン習熟度でみると、レベル1では「被害にあったかどうかわからない」(35.2%)が、全体に比べて15.2ポイント高かった。

 金銭的被害の経験率は全体の4.2%で、前年(5.0%)と同程度だった。平均被害額は5万3446円で、前年より7万2348円減少している。「知らない間に、クレジットカードが利用されていた」人が21名でもっと多く、中には60万円の被害を受けた人もいた。

■IPAが着目・指摘したその他のポイント

 「脅威」に関する調査では、スマートデバイスの利用者において、公衆無線LANの利用率が5.0%増加して36.5%になったことが挙げられている。2014年以降、年々増加を続けており、IPAでは、2020年の東京オリンピック開催に向けた公衆無線LANの普及に伴い、さらに増加していくものと推測する。そのうえで、公衆無線LANは不特定多数が同じネットワークを利用するため、漏えい・窃取されると困る情報のやりとりは控えるのが賢明だとしている。

 「倫理」に関する調査の結果については、以下を指摘している。

・悪意ある投稿経験者の投稿後の心理で、最も多いのは「気が済んだ、すっとした」の35.6%(前年比4.3%増)。特に10代は45.5%、20代は40.5%と他世代より高い傾向が見られた。なお悪意ある投稿の経験者は、ネットでの投稿経験がある人のうち22.6%。投稿理由では、「人の投稿やコメントを見て不快になったから」(前年比5.7%増)、「いらいらしたから」(前年比6.6%増)の増加が目立つ。

・恋人など相手が非常に近しい間柄であれば「自身の性的な姿を撮影した写真や動画」をSNSで共有しても構わないと考える人は、スマートデバイス利用者では7.4%、パソコン利用者では5.3%だった。データは一度でも流出してしまうと完全に回収、消去するのが不可能であることから、安易なデータの提供は避け、原則、ネットを介したプライベートな写真・動画のやり取りは行わないのが賢明である。

・「SNSで自身の性的な写真や動画を撮影して投稿」することを問題があると認識している人は、パソコン利用者で57.5%(前年比12.4%増)、スマートデバイス利用者で57.6%(前年比10.5%増)。モラル意識の向上がみられたが、それでも半数程度に留まっている。

(2018/01/11 セキュリティ通信)

【関連URL】
・「2017年度情報セキュリティに対する意識調査」報告書について(IPA)
https://www.ipa.go.jp/security/fy29/reports/ishiki/index.html