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音楽や映画などの違法ダウンロードに刑事罰、10月1日から施行 [著作権]

 インターネット上で違法に配信されていることを知りながら、有償の音楽や映像をダウンロードして私的に使用した場合、「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金」が科されることとなった。この罰則規定を盛り込んだ改正著作権法が今月20日に参議院本会議で可決・成立し、10月1日から施行される。

 これまでの著作権法においても海賊版の音楽や映像をダウンロードすることは違法だったが、罰則規定は設けられておらず、処罰対象はアップロードする行為に限られていた。しかし、動画共有サイトやP2Pファイル共有ソフト等を介して不正にダウンロードされる音楽や映像が膨大であることから、違法ダウンロードの看過はコンテンツ産業の健全な成長を阻害するおそれがあることが指摘されていた。

 改正著作権法が可決成立した20日、日本レコード協会はこれを歓迎するコメントを出した。しかしネットでは、私的領域での行為に刑事罰を科すことへの懸念や、パブリックコメントなどで広く国民の意見を聞くことをせず、わずか1週間足らずでスピード可決したことへの批判が根強くある。

 反対意見の詳細は、日本弁護士連合会(日弁連)やインターネットユーザー協会(MIAU)が公開している声明(下欄参照)で読むことができる。違法ダウンロードの主体と見られる中高生の約半数はダウンロードが違法であることを知らないでいること、違法か合法の区別が困難であること、警察の捜査権の濫用を招くおそれがあることなどが指摘されている。

 これらの懸念は国会審議の過程でも取り上げられ、改正法に反映されてはいる。違法ダウンロードへの処罰は被害者の告訴を前提とする「親告罪」とされ、未成年者に自覚を促す教育の充実(附則第7条)や、インターネットによる情報収集などが不当に制限されないよう配慮する(附則第9条)などの附則も設けられた。

 こうしたユーザーサイドの懸念と立法サイドの配慮は、実際にどういう形で現実化するだろうか。日弁連は、インターネット利用者が音楽や映像を違法と知らずにダウンロードすることを防ぐため、「エルマークの使用及び周知徹底等により、容易に違法か否かを判別できるような措置を適切に講ずること」を強く求めるとともに、今後の運用状況を注視していくとしている。

(2012/6/25 セキュリティ通信)

【関連URL】
・議案情報(第180回国会)著作権法の一部を改正する法律案(参議院)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/180/meisai/m18003180064.htm
・提出時法律案(衆議院)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18005064.htm
・法律案要旨(参議院)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/180/pdf/53180640.pdf
・修正案(衆議院)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/syuuseian/6_529E.htm
・「私的違法ダウンロードの罰則化」などを含む著作権法の一部を改正する法律案の国会通過にあたって(一般社団法人 日本レコード協会)
http://www.riaj.or.jp/release/2012/pr120620.html
・「違法ダウンロード刑罰化」に関する著作権法改正についての会長声明(日本弁護士連合会)
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120621.html
・私たちは違法ダウンロード刑事罰化に反対します(インターネットユーザー協会)
http://miau.jp/1338800400.phtml